CRMの理想と現実という名の画像・・・
なぜ不満足体験ばかりクチコミされるのか
ネガティブな体験は共有されやすいのに、ポジティブな体験は共有されにくい。
その様に感じているマーケ担当者も少なくないのではないでしょうか。
今回はその事について考察をしたいと思いますが、今回も飲食店を中心とした視点の内容になっているため、企業のマーケ担当の方はエッセンスとして見て頂ければ、と思います。
■拡散される不満足
タイトルでは「なぜ不満足体験ばかりクチコミされるのか」というタイトルではあるが、ただの不満足体験の愚痴だけでは多くの人からの共感や共有はされないと考える。なぜなら、そこに「なぜ不満に思ったのか」という共感に繋がる体験エピソードが無いからだ。そのため、共有が拡散されるための前提として「共感」がなければ成り立たないことの方が多いと考えられる。
そもそも、不満体験が発信されるのにも様々な要素が蓄積され、初めて不満足共有という行為へと結びつくのであって、何か一つの事が不満の場合、多くは些細な事と片づけられるのではないだろうか。
但し、ちょっとした不満の積み重ねや些細な事でも、クチコミされ易い要素として考慮しなければならないのが『その不満足の対象の認知度の高さとその認知内容』だ。
普段耳触りのよいキャッチコピーと顧客満足を巨額な広告費を投じて謳っているブランドほど、ちょっとした不満でもその活動とのギャップを認識しやすく、その結果『事前情報と現実のギャップ』が一つの不満足ストーリーとして発信しやすくなり、その発信に共感し共有がされやすい性質を持つ。
生活者の期待値が事前段階において明瞭に存在し、その期待値をベンチマークの一つとして『満足or普通or不満足』の結論が存在する。(結果としては期待した内容ではなかったが、案外満足という事も勿論あるわけだが)
更に、ブランドの認知率が高く製品利用確率も高ければ、製品を使用して不満足体験をする確率が1%だったとしても、母数が大きければそれだけ多くの人が不満足を体験する事になる。そして、認知した多くの人からも期待値とのギャップを認識する事になる。(ここで共有されるかされないかは、商品の注目度によるだろう。)
そうして多くの共感を得やすくなった不満足体験は多くの人に共有され、それを呼び水に「まさかあのブランドがそんなだったとは・・・これは広めなければ」と消費者立場による正義感からの共有も発生しうるだろう。
■なぜか拡散されない満足
上述の内容までは多くの人が利用可能な物質(有形物商品)を提供するブランドをイメージした記述であるが、提供している商品が物質ではなく無形なサービスである場合、物質の場合と比べて共感できる人数に限りがある。
物質を提供している場合はスペックなど、表に出せる比較対象をベンチマークに評価する事が可能であり、購入の事前であれば期待値、事後であれば使用感などがクチコミされるが商品が多くの人にとって話題であるか、使う可能性のあるジャンルなのかによって共有の規模は異なる。
一方、無形サービスの場合、店舗などの空間提供(食事、接客、演出など)に対する評価であるため、利用者のシチュエーション、時間帯、味の好み、金額感などの要素によって満足が形成されるため、非常に属人的であり、再現性が低く、利用者も限定されているため、共有されても共感をする為の評価基準が異なるケースが多い。よほど感動的なエピソードや良い意味で常識外の接客や演出が無い限り、共有はされても共感される事が難しいだろう。
しかし、それでも不満足は拡散される。
それはなぜだろうか。
■共感される不満足体験の共通性
無形サービスの多くの場合が『言葉使い』『立ち居振る舞い』『クレームへのミス対応』『提供時間の遅さ』『入店待ち客へのフォロー姿勢』などが共感される不満足体験である。
『言葉使い』『立ち居振る舞い』に対して不満足体験をした人は、店舗接客として求められる態度としてある程度の標準値を感覚的に持っている。それはチェーン店という形式が一般的になり、どこでも良いサービスが受けれるようになった事が背景にあると考えられる。
一方『提供時間の遅さ』『入店待ち客へのフォロー姿勢』などは多くの人にとって共通性のあるシチュエーションが前提となっている。例えば「マクドナルドでハンバーガーを注文して番号札を渡されてから10分待つけどまだ来ない。」というPostがtwitterにあり、それを目にした多くの人が「遅い」と感じるだろう。*1
その様に、同じブランドや業態の店舗への来店経験がある客は共通体験として「自分事化」しやすい環境にあると言える。*1
そういった背景があり、共感から拡散へと繋がって行く。『クレームへの対応ミス』は上述した内容に加えられるエピソードになり、ブランドにとってよりネガティブな共有・共感・拡散になるだろう。
逆に、このクレームに満足いく対応ができた時にはネガティブ共有を防ぐどころか、良い体験として共有されるチャンスである事を自覚した対応をしてほしい。
*1勿論、ハンバーガーショップでも作り置きをせず、種を成型する事から始める店舗もあるので、10分以上待つ事も多々あるわけだが、その事への理解が無い場合もあったりと・・・。
■ポジティブな情報共有に必要なこと
既に述べた様に満足体験は共有されない傾向にあると考えられる。それは、提供物が物質であろうが無形であろうが同じである。では、どうすれば良いのだろうか。
まずは共有をしやすくするための仕組みが必要になる。その点で言えば特にソーシャルメディアの重要性が高い。そのソーシャルメディアを活用する際の大事なポイントとしては『リアルプレイス』『リアルタイム』『リアルコミュニケーション』の3つのリアルである。
そのソーシャルメディアの活用も含めた仮のケースとして、ここでは飲食店のケースとして紹介する。
1. 位置情報系やクチコミサイトの公式ページ設置(リアルタイム、リアルプレイス)
⇒例えば店舗であれば位置情報系に公式情報を登録したり、食べログなどのクチコミ系サイトにも公式ページ作成が可能である。
2. メニューの工夫(共有演出)
⇒盛り付けは勿論、季節の地場産食材を使った限定メニューなどを使う事で季節という世間との共通性を持たせる事ができる。
3. 公式のBlogとFacebookを設置(理解の醸成)
⇒店舗が拘りとしていること、コンセプトとしていること、新メニュー開発までの道程などをコンテンツとして提供するなど、ブランドに相応しいコンテンツを提供する。
4. twitter公式アカウントを設置(リアルコミュニケーション)
⇒来店した客は勿論、興味を持っている人に対してもリアルタイムにコミュニケーションを取る。これまで『来店してから初めて始まる関係性』だったのを『来店前からある緩い関係性から来店する事によって強くなる関係性』にすることによって、来店時のコミュニケーションがより円滑なものになる。
これらを用いて継続的なコミュニケーションを行う事によって、良い意見の「応援票」を貰える関係性を構築する事が可能であると考えられる。
取り組み姿勢としては「店外接客」というスタンスで、ソーシャルメディア上に対しても空間演出をする姿勢で取り組み、店内コンテンツからWebコンテンツまで考える事をお勧めする。
但し、顧客層がtwitterやFacebookをやっていない場合、ターゲット層とズレた対象とのコミュニケーションになることが考えられるので、その点は注意してほしい。まずは『顧客は誰か』の問いに答えられる事が必要ではあるが。
■でも、まずはクレームを出さない事
美しい体験共有の数々も、大きな不満足体験が一つあるだけで台無しになる事がある。「Web時代になってリスクが増えた」という意見も見聞きする。その意見は結果論としては正しいかもしれないが、本質的にリスクは『提供するサービスの問題』なのであって、『Web=リスク』という捉え方は間違いであると言える。
それに、上述している不満足体験の共通傾向は、どれも未然に防ぐ事が可能であり、顧客視点に立てば見えてくるものばかりだ。客を数字上の一人として考えるのはあまりにも勿体ない。(多くの企業が客本人ではなく客のデータを愛しているように思えることもある。)
たまにはお店を少し早く閉めてでも時間を作り、普段座らない『客席』に座り、「カップルならどういう視線になるだろうか」「おひとり様なら何が気になるだろうか」「お年寄りならどこに不便があるだろうか」と、自分自身を消費者にして考える時間があると良い。それだけの成果がその時間からは得られるはずだ。
まずは『顧客は誰か』をしっかりと考え、その顧客の視点で物事を考えられるようにする事が最初にする事であり、中長期的なスタンスで店作りを見れる様になる事が重要である。
■まとめ
・不満足も満足も感じる為には何かしらのベンチマークが存在する
・不満足も満足もその結果に共感があるかが拡散されるポイント
・共感される背景にはどの様なストーリーがあるのかを考える事
・顧客視点を持つ事、自身も消費者である自覚を持つ事
・WebとRealも一緒の接客姿勢で臨む事(提供する体験を意識する事)
■雑感一筆
コンセプトを『自分のやりたい事』にするケースが多いのが飲食業界で、店舗の場所も自身の住む場所からの都合で考えてしまうケースも残念ながら多いです。
仮に『やりたい事』が中心のお店づくりだったとしても、その『やりたい事』が「誰に共感されるのか」「その人はどこに住んでいるのか」「どこで働いているのか」を考察するべきです。
自分がコツとしている事として『お店は街づくり』という考え方があります。これを逆引きで「『街づくりに貢献できるお店』とはどんなお店だろうか」という考え方を行う。そうすることで、例えチェーン店だったとしても地域性を重んじたお店づくりになります。(大型チェーンの場合、ブランディングとはまた別に考える必要があります。)
地域にとって快適なお店になれば、飲食店の50%以上の売り上げを構成する一次商圏(1Km)での収益も次第に安定してきます。
実はそのためのコツとしては採用活動があります。詳細はここでは説明できませんが、採用面にも気を配る必要があるという事と、その前提としてまずは地域に詳しくなり、更に地域の構成員としての責任を持つという意識が大事です。それらはソーシャルメディアを活用した時にも最大限に生かされるコンテンツにもなります。
飲食店の元気は日本の元気。
飲食店の皆さん、頑張ってください。
今回も飲食店に偏った記事を読んで頂きありがとうございましたw
その様に感じているマーケ担当者も少なくないのではないでしょうか。
今回はその事について考察をしたいと思いますが、今回も飲食店を中心とした視点の内容になっているため、企業のマーケ担当の方はエッセンスとして見て頂ければ、と思います。
■拡散される不満足
タイトルでは「なぜ不満足体験ばかりクチコミされるのか」というタイトルではあるが、ただの不満足体験の愚痴だけでは多くの人からの共感や共有はされないと考える。なぜなら、そこに「なぜ不満に思ったのか」という共感に繋がる体験エピソードが無いからだ。そのため、共有が拡散されるための前提として「共感」がなければ成り立たないことの方が多いと考えられる。
そもそも、不満体験が発信されるのにも様々な要素が蓄積され、初めて不満足共有という行為へと結びつくのであって、何か一つの事が不満の場合、多くは些細な事と片づけられるのではないだろうか。
但し、ちょっとした不満の積み重ねや些細な事でも、クチコミされ易い要素として考慮しなければならないのが『その不満足の対象の認知度の高さとその認知内容』だ。
普段耳触りのよいキャッチコピーと顧客満足を巨額な広告費を投じて謳っているブランドほど、ちょっとした不満でもその活動とのギャップを認識しやすく、その結果『事前情報と現実のギャップ』が一つの不満足ストーリーとして発信しやすくなり、その発信に共感し共有がされやすい性質を持つ。
生活者の期待値が事前段階において明瞭に存在し、その期待値をベンチマークの一つとして『満足or普通or不満足』の結論が存在する。(結果としては期待した内容ではなかったが、案外満足という事も勿論あるわけだが)
更に、ブランドの認知率が高く製品利用確率も高ければ、製品を使用して不満足体験をする確率が1%だったとしても、母数が大きければそれだけ多くの人が不満足を体験する事になる。そして、認知した多くの人からも期待値とのギャップを認識する事になる。(ここで共有されるかされないかは、商品の注目度によるだろう。)
そうして多くの共感を得やすくなった不満足体験は多くの人に共有され、それを呼び水に「まさかあのブランドがそんなだったとは・・・これは広めなければ」と消費者立場による正義感からの共有も発生しうるだろう。
■なぜか拡散されない満足
上述の内容までは多くの人が利用可能な物質(有形物商品)を提供するブランドをイメージした記述であるが、提供している商品が物質ではなく無形なサービスである場合、物質の場合と比べて共感できる人数に限りがある。
物質を提供している場合はスペックなど、表に出せる比較対象をベンチマークに評価する事が可能であり、購入の事前であれば期待値、事後であれば使用感などがクチコミされるが商品が多くの人にとって話題であるか、使う可能性のあるジャンルなのかによって共有の規模は異なる。
一方、無形サービスの場合、店舗などの空間提供(食事、接客、演出など)に対する評価であるため、利用者のシチュエーション、時間帯、味の好み、金額感などの要素によって満足が形成されるため、非常に属人的であり、再現性が低く、利用者も限定されているため、共有されても共感をする為の評価基準が異なるケースが多い。よほど感動的なエピソードや良い意味で常識外の接客や演出が無い限り、共有はされても共感される事が難しいだろう。
しかし、それでも不満足は拡散される。
それはなぜだろうか。
■共感される不満足体験の共通性
無形サービスの多くの場合が『言葉使い』『立ち居振る舞い』『クレームへのミス対応』『提供時間の遅さ』『入店待ち客へのフォロー姿勢』などが共感される不満足体験である。
『言葉使い』『立ち居振る舞い』に対して不満足体験をした人は、店舗接客として求められる態度としてある程度の標準値を感覚的に持っている。それはチェーン店という形式が一般的になり、どこでも良いサービスが受けれるようになった事が背景にあると考えられる。
一方『提供時間の遅さ』『入店待ち客へのフォロー姿勢』などは多くの人にとって共通性のあるシチュエーションが前提となっている。例えば「マクドナルドでハンバーガーを注文して番号札を渡されてから10分待つけどまだ来ない。」というPostがtwitterにあり、それを目にした多くの人が「遅い」と感じるだろう。*1
その様に、同じブランドや業態の店舗への来店経験がある客は共通体験として「自分事化」しやすい環境にあると言える。*1
そういった背景があり、共感から拡散へと繋がって行く。『クレームへの対応ミス』は上述した内容に加えられるエピソードになり、ブランドにとってよりネガティブな共有・共感・拡散になるだろう。
逆に、このクレームに満足いく対応ができた時にはネガティブ共有を防ぐどころか、良い体験として共有されるチャンスである事を自覚した対応をしてほしい。
*1勿論、ハンバーガーショップでも作り置きをせず、種を成型する事から始める店舗もあるので、10分以上待つ事も多々あるわけだが、その事への理解が無い場合もあったりと・・・。
■ポジティブな情報共有に必要なこと
既に述べた様に満足体験は共有されない傾向にあると考えられる。それは、提供物が物質であろうが無形であろうが同じである。では、どうすれば良いのだろうか。
まずは共有をしやすくするための仕組みが必要になる。その点で言えば特にソーシャルメディアの重要性が高い。そのソーシャルメディアを活用する際の大事なポイントとしては『リアルプレイス』『リアルタイム』『リアルコミュニケーション』の3つのリアルである。
そのソーシャルメディアの活用も含めた仮のケースとして、ここでは飲食店のケースとして紹介する。
1. 位置情報系やクチコミサイトの公式ページ設置(リアルタイム、リアルプレイス)
⇒例えば店舗であれば位置情報系に公式情報を登録したり、食べログなどのクチコミ系サイトにも公式ページ作成が可能である。
2. メニューの工夫(共有演出)
⇒盛り付けは勿論、季節の地場産食材を使った限定メニューなどを使う事で季節という世間との共通性を持たせる事ができる。
3. 公式のBlogとFacebookを設置(理解の醸成)
⇒店舗が拘りとしていること、コンセプトとしていること、新メニュー開発までの道程などをコンテンツとして提供するなど、ブランドに相応しいコンテンツを提供する。
4. twitter公式アカウントを設置(リアルコミュニケーション)
⇒来店した客は勿論、興味を持っている人に対してもリアルタイムにコミュニケーションを取る。これまで『来店してから初めて始まる関係性』だったのを『来店前からある緩い関係性から来店する事によって強くなる関係性』にすることによって、来店時のコミュニケーションがより円滑なものになる。
これらを用いて継続的なコミュニケーションを行う事によって、良い意見の「応援票」を貰える関係性を構築する事が可能であると考えられる。
取り組み姿勢としては「店外接客」というスタンスで、ソーシャルメディア上に対しても空間演出をする姿勢で取り組み、店内コンテンツからWebコンテンツまで考える事をお勧めする。
但し、顧客層がtwitterやFacebookをやっていない場合、ターゲット層とズレた対象とのコミュニケーションになることが考えられるので、その点は注意してほしい。まずは『顧客は誰か』の問いに答えられる事が必要ではあるが。
■でも、まずはクレームを出さない事
美しい体験共有の数々も、大きな不満足体験が一つあるだけで台無しになる事がある。「Web時代になってリスクが増えた」という意見も見聞きする。その意見は結果論としては正しいかもしれないが、本質的にリスクは『提供するサービスの問題』なのであって、『Web=リスク』という捉え方は間違いであると言える。
それに、上述している不満足体験の共通傾向は、どれも未然に防ぐ事が可能であり、顧客視点に立てば見えてくるものばかりだ。客を数字上の一人として考えるのはあまりにも勿体ない。(多くの企業が客本人ではなく客のデータを愛しているように思えることもある。)
たまにはお店を少し早く閉めてでも時間を作り、普段座らない『客席』に座り、「カップルならどういう視線になるだろうか」「おひとり様なら何が気になるだろうか」「お年寄りならどこに不便があるだろうか」と、自分自身を消費者にして考える時間があると良い。それだけの成果がその時間からは得られるはずだ。
まずは『顧客は誰か』をしっかりと考え、その顧客の視点で物事を考えられるようにする事が最初にする事であり、中長期的なスタンスで店作りを見れる様になる事が重要である。
■まとめ
・不満足も満足も感じる為には何かしらのベンチマークが存在する
・不満足も満足もその結果に共感があるかが拡散されるポイント
・共感される背景にはどの様なストーリーがあるのかを考える事
・顧客視点を持つ事、自身も消費者である自覚を持つ事
・WebとRealも一緒の接客姿勢で臨む事(提供する体験を意識する事)
■雑感一筆
コンセプトを『自分のやりたい事』にするケースが多いのが飲食業界で、店舗の場所も自身の住む場所からの都合で考えてしまうケースも残念ながら多いです。
仮に『やりたい事』が中心のお店づくりだったとしても、その『やりたい事』が「誰に共感されるのか」「その人はどこに住んでいるのか」「どこで働いているのか」を考察するべきです。
自分がコツとしている事として『お店は街づくり』という考え方があります。これを逆引きで「『街づくりに貢献できるお店』とはどんなお店だろうか」という考え方を行う。そうすることで、例えチェーン店だったとしても地域性を重んじたお店づくりになります。(大型チェーンの場合、ブランディングとはまた別に考える必要があります。)
地域にとって快適なお店になれば、飲食店の50%以上の売り上げを構成する一次商圏(1Km)での収益も次第に安定してきます。
実はそのためのコツとしては採用活動があります。詳細はここでは説明できませんが、採用面にも気を配る必要があるという事と、その前提としてまずは地域に詳しくなり、更に地域の構成員としての責任を持つという意識が大事です。それらはソーシャルメディアを活用した時にも最大限に生かされるコンテンツにもなります。
飲食店の元気は日本の元気。
飲食店の皆さん、頑張ってください。
今回も飲食店に偏った記事を読んで頂きありがとうございましたw
飲食店のこれからのマーケティングを考える
昨今、サービス業関連の企業からも相談事が増えつつあり、サービス業における集客やブランディングについて考える機会が増えています。
そこで、自身が外食産業出身であり店舗のオペレーションも全般行い運営も行っていた立場から、たまには飲食店向けのエントリも書いてみたいと考え、今回は主に飲食店の視点で店舗のマーケティングについて考えた内容をエントリにしてみました。
■実店舗の商圏
飲食店や消費財販売における一般的な商圏は1Km(一次商圏)から5Km(二次商圏)と言われており、売上のほぼ50%が一次商圏で構成されると言われており、一次商圏を『最重要商圏』『重点商圏』というように位置付けるのが一般的だ。
これらの商圏で如何に集客できるかが店舗における重要課題である事は、店舗を持つ経営者の共通の課題である。
■商圏での集客施策
チラシ配りや表通りへの看板設置など、地域を通行する人々に認知をしてもらう事が、地味な施策ではありますが、どの店舗においてもエリア認知を獲得する上で重要な施策である。
しかし、エンタメ系レストランや尖ったコンセプトのある店舗についてはその限りではなく、Webでの施策も有効な手段である。
例えば雰囲気がよく、女子受けがしやすいメニューもある様な飲食店の場合、女子会需要が考えられる。
その場合、クーポン系サイトや店舗サイトにも女子会のコースやプランをコンテンツとして盛り込み、検索するユーザーやクーポンサイトで女子会の会場を探している人達へアプローチする事が手段としてありえる。
そしてこの場合、女子会を実施する上で大事なのが、雰囲気、メニュー、金額などの要素で、あとは店舗共通の要素である立地だ。
立地が良いに越したことではないが、女子会というフィルターに掛ける事によって、競合するエリア店舗を少なくし、検討候補に入る確率は向上する。
店舗集客で基本となるのは「どんな人達がいて」「平日と休日ではどんな違いがあり」「エリアを利用する目的な何なのか」というエリア属性要素を把握する事ですが、既にお店を構えていて集客に苦しんでいる場合、それらの把握に追加して自店舗で「提供できるコンテンツは何があり」「どういったコンテンツを持つ事も可能なのか」といった提供できる内容を再確認し、エリア属性と合わせて考える必要がある。
しかし、上記に挙げている様に、ある程度集客する商圏を広げる事は可能だ。
交通網の利便性にもよりますが、女子会、音楽が聴けるお店など、お店を選ぶ側のフィルターに合わせてチャネルを切り替え、Webからの集客も実施する事も検討する必要があるだろう。
■世間で言うブランディングとは違う『サービスブランディング』
店舗を認知させるという事を前項で記述してきたが、まず根底には店舗のコンセプトを明確にする必要があり、それらを認知させるようなコンテンツをチャネルに盛り込まなければならない。
所謂「ブランディング」活動だ。
そもそものブランディングの定義を以下に解説する。
【ブランディングとは】
ブランディングとは、ブランド(企業や商品)が提供できるサービスをユーザーに対し明確に示し、ユーザーにブランドを通して体験できる価値を認識させ、理解されるための活動および理解されている状態を示す。
要はブランドの「こう思われたい」というイメージに対し、ユーザーが思っているイメージとのギャップを無くし、ユーザーにとってのメリットを明確化する事である。
この定義の基行われるブランディング活動にはモノとサービスでは異なった考え方が必要になってくる。
モノのブランディングの場合、マーケティングとして広告や店頭の空気づくりを行い、物質として存在する商品の機能面も含めた価値を認識してもらう事がポイントになる。
しかし、サービスのブランディングの場合、顧客との関係性の構築・人材の教育・空間演出といった要素を通してブランドが形成され、体験が記憶として残る事でブランディングが完成される。
モノもサービスも事前にシミュレーション(疑似体験)させる事が必要で、そのイメージを想起させるようなコンテンツとシナリオが必要になり、サービスのブランディングにおいてのそれらの要素として「サービスブランディングにおける7P」が存在する。
【サービスブランディングの7P】
立地(Place)
商品(Product)
価格(Price)
物的環境(Physical evidence)
販売促進(Promotion)
人材(People)
約束(Promise)
この7Pをそれぞれ異なった単一的なコミュニケーション施策としての体験にしてはいけない。
ここで重要なのはブランド『約束(Promise)』する体験とは何かを定義し、その約束を基にその他のPを考えなければならない。
例えばシャネルが中野のマルイにお店があるのは違和感があるだろうし、シャネルが店頭に70%OFFという赤色の貼り紙をしているのも違和感を感じるだろう。接客もダラッとしているよりもキビキビと洗練された動きは求められるだろうし、店舗施設も内装だけではなく外装にも洗練されたデザインが求められる。全体を通してシャネルという高級ブランドのブランド体験が醸成される事を考えると、これら全ては其々のチャネルで単一的にブランドコミュニケーションを考えるのではなく、接触する顧客に対し、それぞれが関連付けられたストーリーの一部にならなければならない。
ブランドを映画作品に例えるならそれは、ブランドが約束する体験として定義された内容が原案だとしたら、他の6Pは役者であり、原案をストーリーにするのが脚本、作品の世界観を作るのは演出だ。
『原案(約束)』を基に『脚本(ストーリー)』を作り『役(6P)』をキャスティングし、原案の世界観と脚本を基にした『演出(品質マネージメント)』をする、という流れと役割が求められる。
■チャネルを整理する(コミュニケーションエリア整理)
コミュニケーションエリアとは、チャネルの領域の事を差す。今回は飲食店の視点であるため、以下の様になる。
【認知に強い領域】
エリアプロモーション
ソーシャルメディア
【理解に強い領域】
店舗内プロモーション
店舗Webサイト
これらの領域において、それぞれの役割があり、ブランド体験における補完関係にもある。まずはそれぞれにどの様なチャネルとコンテンツが当てはまるのか、これらをしっかりと把握する事から初めては如何だろうか。
■ステータスで考える
新規集客を考える場合、対象はどのようなニーズステータスになるのか、または、顧客ステータスになるのか、そういったステータスに分類する事により、Webや店舗内などで必要になるコンテンツが見えやすくなる。
ユーザーが店舗に求める優先順位で高いのは、雰囲気なのか、演出なのか、価格なのか、何かしらのオプションなのか、味なのか。どのような検討シーンが考えられるのかを明確化する事により、その検討内容に合ったコンテンツを提供する事が可能になり、Webを介した集客やチラシ配りなどからの集客に役立てる事ができる。
■商圏を広げる
店舗において一次商圏内の属性傾向は重要である。
しかし、その属性と店舗のコンセプトや単価がマッチしていない場合、多くの「無個性な店舗」においては致命的な状況であると考えられる。
しかし、店舗に差別化されたコンテンツがある場合、その限りではない。そのコンテンツが有機などの拘り食材なのか、はたまたコンクールなどでも実績のあるシェフのお店なのか、それとも上質な空間と時間を提供するエンターテインメントなお店なのか。商圏についての説明を記述した際に触れているが、これらの尖った個性は、それを必要としている「ステータス」の人に情報を提供できれば、一次商圏以外からの商圏からも集客が望める。
それは、求める「ステータス」に合った店舗の絶対数とモチベーションの影響が大きいが、少なければ少ない程遠くからも集客が可能となる。
但し、物理的距離はどの様な個性であれ、壁になる事には間違いはない事は念頭に置いて頂きたい。
その上で、如何にニーズ(ステータス)にマッチするコンテンツを提供できるかが、遠方からの集客においてのポイントになると覚えて欲しい。
■位置情報系サービスの店舗活用
ソーシャルメディア(主にtwitterやfacebook)を毎日使う人にとって「Foursquare」や「ロケタッチ」などはよく目にするのではないだろうか。
これら位置情報系サービスを活用して自身の居る場所を共有する行為を「チェックイン」と言うわけだが、この「チェックイン」をする事によって、twitterやfacebookに共有設定をしているアカウントの場合は自動でそれらにも位置が共有される。
私のアカウントの場合は「twitter = 800」「Facebook = 132」「foursquare = 150」に共有される。
勿論、視認されずに終わる場合も多くあるが、foursquareを使っていて、自身の近隣にいる人でスマートフォンを使っている人へはデフォルトの設定である限り、お知らせアイコンが端末上に出るため、認知はされやすい。
また、まったく見ず知らずで興味も無い他人ではなく、自身がソーシャルメディア上やリアルで繋がりのある知人・友人が共有する情報であるため、必然的に興味は持ちやすい傾向にあると考えられる。
※追記(この印象は対象に依存する。その共有者に対してどのようなイメージを持っているのかによって共有情報を受け取った人の印象は異なる。例えば、いつも美味しいお店をセッティングしてくれる友人のお店情報なら興味を持てる。など。)
その他にも、位置情報系サイトには店舗向け管理ページが存在し、店舗情報を位置情報系サイトに公式アカウントとして提供する事によって、どのユーザーがどれくらいの頻度で店舗に訪れているのか、今月の訪問数は何件か、などのデータを取得する事が可能であり、プロモーションを実施する事もできる。
しかも、これらは無料である。
■ソーシャルメディアの活用
前述している位置情報もソーシャルメディアではあるが、ここで定義するソーシャルメディアは「twitter」「facebook」「mixi」などである。
これらのソーシャルメディアを活用し、最新のメニュー情報、イベント情報、キャンペーン情報などを提供する事で店舗アカウントをフォローしている人達へのプロモーションを行う事ができる。
メーカーや大型店舗などのtwitterアカウントでは、積極的なコミュニケーションが成功事例として上げられる傾向にあるが、小規模店舗において必ずしもその傾向が当てはまる訳ではない。
限定地域を対象にした前提での情報提供を行う事は、地域で店舗を認知している人にとっては、地域情報としての価値があり、メーカー等とは情報の性質が異なる。
しかし、気を付けて貰いたいのは、間違っても「いいね!」してくれたらクーポン提供などの「カスタマー評価とバーターにした取引」を施策として実施する事はマイナスである。
これを実際に実施している店舗を見かけた事があるが、とても興ざめした記憶がある。飲食店において「良いか悪いか」は提供する料理・接客・空間・時間なのであって、物質ではなく記憶であり、提供するサービスへの拘りへの評価を間違ってもクーポンとのバーターなどに使用してはいけない。また、ソーシャルメディアを活用する上では、店舗の個性と言える拘りなども垣間見える発信をすると、次第にコミュニケーションは発生していくだろう。
■データを把握する
まずはどのチャネルから
1. どれくらい集客できたか
2. 客単価はどうだったか
3. 再来店率はどれくらいか
などは把握できるようにしておこう。
その上で、どのチャネルからどれくらいWebサイトへ誘導できたか等も見ていき、見られたコンテンツ傾向などから、どの様なステータスのユーザーが多いのか等、傾向を把握すう事が出来る様になる。
傾向を把握する事によって、提供するべきコンテンツやサービスの示唆にする事が可能だ。
■まとめ
色々と書いたものの、結局は「顧客は誰か」と「どんな体験を提供できるか」につきる。
良いサービスはオンライン・オフライン関わらず、人から人へと伝わるものだと私自身は実感している。
そして、その「良いサービス」というのが「誰にとっての良いサービス」なのかを前提においた考えを持たなければならない。
上記の事を念頭に、今回のエントリでご紹介した「サービスブランディングにおける7P」を用いた施策を実行される事を望む。(特に新規出店を検討している場合)
既存店がこれから見直しを考える場合として、以下の様な内容と順序が考えられる。
1. 現状の把握・整理
⇒現在定義しているコンセプトはあるか、現在の顧客と商圏属性のギャップ、どういうチャネルとコンテンツを持っていて、数字はどうか、人材はどうか、等
2. 課題の整理
⇒現状整理と他社の状況や市場環境を基に課題を抽出
3. 戦略および施策の立案
⇒どの様なターゲットに対し、どの様なコンセプトを基に、どの様なチャネルやコンテンツを用いて、いつまでにどの様な結果を出すのか
4. 行動計画
⇒3を実現させるための具体的な行動計画
まずはこれらの流れをPDCAに出来る様に、場当り的に施策などを考えるのではなく順序だって考えて頂きたい。
■雑感一筆
飲食店の運営はワタミ報道でも認知されている通り過酷なスケジュールであるケースも多く、余暇が少ないためWebに関する施策などをやりたいと思っても中々できない店舗が多い。
それは実際にIT音痴である事がそもそもなのですが、それは余暇が無い事から起きた慢性疾患の一つにすぎないと思います。
自身が外食産業畑からIT畑へ身を投じたのも、こういった可能性が日々に消耗される事で無くなってしまう危機感を感じていたからです。
何にせよ、自分自身が少しでも飲食業界の活性化に役立てれば、という想いは今も変わらず。
という事で、今後も飲食関連のエントリをちょいちょい書いてみたいな、と思う次第です。
そこで、自身が外食産業出身であり店舗のオペレーションも全般行い運営も行っていた立場から、たまには飲食店向けのエントリも書いてみたいと考え、今回は主に飲食店の視点で店舗のマーケティングについて考えた内容をエントリにしてみました。
■実店舗の商圏
飲食店や消費財販売における一般的な商圏は1Km(一次商圏)から5Km(二次商圏)と言われており、売上のほぼ50%が一次商圏で構成されると言われており、一次商圏を『最重要商圏』『重点商圏』というように位置付けるのが一般的だ。
これらの商圏で如何に集客できるかが店舗における重要課題である事は、店舗を持つ経営者の共通の課題である。
■商圏での集客施策
チラシ配りや表通りへの看板設置など、地域を通行する人々に認知をしてもらう事が、地味な施策ではありますが、どの店舗においてもエリア認知を獲得する上で重要な施策である。
しかし、エンタメ系レストランや尖ったコンセプトのある店舗についてはその限りではなく、Webでの施策も有効な手段である。
例えば雰囲気がよく、女子受けがしやすいメニューもある様な飲食店の場合、女子会需要が考えられる。
その場合、クーポン系サイトや店舗サイトにも女子会のコースやプランをコンテンツとして盛り込み、検索するユーザーやクーポンサイトで女子会の会場を探している人達へアプローチする事が手段としてありえる。
そしてこの場合、女子会を実施する上で大事なのが、雰囲気、メニュー、金額などの要素で、あとは店舗共通の要素である立地だ。
立地が良いに越したことではないが、女子会というフィルターに掛ける事によって、競合するエリア店舗を少なくし、検討候補に入る確率は向上する。
店舗集客で基本となるのは「どんな人達がいて」「平日と休日ではどんな違いがあり」「エリアを利用する目的な何なのか」というエリア属性要素を把握する事ですが、既にお店を構えていて集客に苦しんでいる場合、それらの把握に追加して自店舗で「提供できるコンテンツは何があり」「どういったコンテンツを持つ事も可能なのか」といった提供できる内容を再確認し、エリア属性と合わせて考える必要がある。
しかし、上記に挙げている様に、ある程度集客する商圏を広げる事は可能だ。
交通網の利便性にもよりますが、女子会、音楽が聴けるお店など、お店を選ぶ側のフィルターに合わせてチャネルを切り替え、Webからの集客も実施する事も検討する必要があるだろう。
■世間で言うブランディングとは違う『サービスブランディング』
店舗を認知させるという事を前項で記述してきたが、まず根底には店舗のコンセプトを明確にする必要があり、それらを認知させるようなコンテンツをチャネルに盛り込まなければならない。
所謂「ブランディング」活動だ。
そもそものブランディングの定義を以下に解説する。
【ブランディングとは】
ブランディングとは、ブランド(企業や商品)が提供できるサービスをユーザーに対し明確に示し、ユーザーにブランドを通して体験できる価値を認識させ、理解されるための活動および理解されている状態を示す。
要はブランドの「こう思われたい」というイメージに対し、ユーザーが思っているイメージとのギャップを無くし、ユーザーにとってのメリットを明確化する事である。
この定義の基行われるブランディング活動にはモノとサービスでは異なった考え方が必要になってくる。
モノのブランディングの場合、マーケティングとして広告や店頭の空気づくりを行い、物質として存在する商品の機能面も含めた価値を認識してもらう事がポイントになる。
しかし、サービスのブランディングの場合、顧客との関係性の構築・人材の教育・空間演出といった要素を通してブランドが形成され、体験が記憶として残る事でブランディングが完成される。
モノもサービスも事前にシミュレーション(疑似体験)させる事が必要で、そのイメージを想起させるようなコンテンツとシナリオが必要になり、サービスのブランディングにおいてのそれらの要素として「サービスブランディングにおける7P」が存在する。
【サービスブランディングの7P】
立地(Place)
商品(Product)
価格(Price)
物的環境(Physical evidence)
販売促進(Promotion)
人材(People)
約束(Promise)
この7Pをそれぞれ異なった単一的なコミュニケーション施策としての体験にしてはいけない。
ここで重要なのはブランド『約束(Promise)』する体験とは何かを定義し、その約束を基にその他のPを考えなければならない。
例えばシャネルが中野のマルイにお店があるのは違和感があるだろうし、シャネルが店頭に70%OFFという赤色の貼り紙をしているのも違和感を感じるだろう。接客もダラッとしているよりもキビキビと洗練された動きは求められるだろうし、店舗施設も内装だけではなく外装にも洗練されたデザインが求められる。全体を通してシャネルという高級ブランドのブランド体験が醸成される事を考えると、これら全ては其々のチャネルで単一的にブランドコミュニケーションを考えるのではなく、接触する顧客に対し、それぞれが関連付けられたストーリーの一部にならなければならない。
ブランドを映画作品に例えるならそれは、ブランドが約束する体験として定義された内容が原案だとしたら、他の6Pは役者であり、原案をストーリーにするのが脚本、作品の世界観を作るのは演出だ。
『原案(約束)』を基に『脚本(ストーリー)』を作り『役(6P)』をキャスティングし、原案の世界観と脚本を基にした『演出(品質マネージメント)』をする、という流れと役割が求められる。
■チャネルを整理する(コミュニケーションエリア整理)
コミュニケーションエリアとは、チャネルの領域の事を差す。今回は飲食店の視点であるため、以下の様になる。
【認知に強い領域】
エリアプロモーション
ソーシャルメディア
【理解に強い領域】
店舗内プロモーション
店舗Webサイト
これらの領域において、それぞれの役割があり、ブランド体験における補完関係にもある。まずはそれぞれにどの様なチャネルとコンテンツが当てはまるのか、これらをしっかりと把握する事から初めては如何だろうか。
■ステータスで考える
新規集客を考える場合、対象はどのようなニーズステータスになるのか、または、顧客ステータスになるのか、そういったステータスに分類する事により、Webや店舗内などで必要になるコンテンツが見えやすくなる。
ユーザーが店舗に求める優先順位で高いのは、雰囲気なのか、演出なのか、価格なのか、何かしらのオプションなのか、味なのか。どのような検討シーンが考えられるのかを明確化する事により、その検討内容に合ったコンテンツを提供する事が可能になり、Webを介した集客やチラシ配りなどからの集客に役立てる事ができる。
■商圏を広げる
店舗において一次商圏内の属性傾向は重要である。
しかし、その属性と店舗のコンセプトや単価がマッチしていない場合、多くの「無個性な店舗」においては致命的な状況であると考えられる。
しかし、店舗に差別化されたコンテンツがある場合、その限りではない。そのコンテンツが有機などの拘り食材なのか、はたまたコンクールなどでも実績のあるシェフのお店なのか、それとも上質な空間と時間を提供するエンターテインメントなお店なのか。商圏についての説明を記述した際に触れているが、これらの尖った個性は、それを必要としている「ステータス」の人に情報を提供できれば、一次商圏以外からの商圏からも集客が望める。
それは、求める「ステータス」に合った店舗の絶対数とモチベーションの影響が大きいが、少なければ少ない程遠くからも集客が可能となる。
但し、物理的距離はどの様な個性であれ、壁になる事には間違いはない事は念頭に置いて頂きたい。
その上で、如何にニーズ(ステータス)にマッチするコンテンツを提供できるかが、遠方からの集客においてのポイントになると覚えて欲しい。
■位置情報系サービスの店舗活用
ソーシャルメディア(主にtwitterやfacebook)を毎日使う人にとって「Foursquare」や「ロケタッチ」などはよく目にするのではないだろうか。
これら位置情報系サービスを活用して自身の居る場所を共有する行為を「チェックイン」と言うわけだが、この「チェックイン」をする事によって、twitterやfacebookに共有設定をしているアカウントの場合は自動でそれらにも位置が共有される。
私のアカウントの場合は「twitter = 800」「Facebook = 132」「foursquare = 150」に共有される。
勿論、視認されずに終わる場合も多くあるが、foursquareを使っていて、自身の近隣にいる人でスマートフォンを使っている人へはデフォルトの設定である限り、お知らせアイコンが端末上に出るため、認知はされやすい。
また、まったく見ず知らずで興味も無い他人ではなく、自身がソーシャルメディア上やリアルで繋がりのある知人・友人が共有する情報であるため、必然的に興味は持ちやすい傾向にあると考えられる。
※追記(この印象は対象に依存する。その共有者に対してどのようなイメージを持っているのかによって共有情報を受け取った人の印象は異なる。例えば、いつも美味しいお店をセッティングしてくれる友人のお店情報なら興味を持てる。など。)
その他にも、位置情報系サイトには店舗向け管理ページが存在し、店舗情報を位置情報系サイトに公式アカウントとして提供する事によって、どのユーザーがどれくらいの頻度で店舗に訪れているのか、今月の訪問数は何件か、などのデータを取得する事が可能であり、プロモーションを実施する事もできる。
しかも、これらは無料である。
■ソーシャルメディアの活用
前述している位置情報もソーシャルメディアではあるが、ここで定義するソーシャルメディアは「twitter」「facebook」「mixi」などである。
これらのソーシャルメディアを活用し、最新のメニュー情報、イベント情報、キャンペーン情報などを提供する事で店舗アカウントをフォローしている人達へのプロモーションを行う事ができる。
メーカーや大型店舗などのtwitterアカウントでは、積極的なコミュニケーションが成功事例として上げられる傾向にあるが、小規模店舗において必ずしもその傾向が当てはまる訳ではない。
限定地域を対象にした前提での情報提供を行う事は、地域で店舗を認知している人にとっては、地域情報としての価値があり、メーカー等とは情報の性質が異なる。
しかし、気を付けて貰いたいのは、間違っても「いいね!」してくれたらクーポン提供などの「カスタマー評価とバーターにした取引」を施策として実施する事はマイナスである。
これを実際に実施している店舗を見かけた事があるが、とても興ざめした記憶がある。飲食店において「良いか悪いか」は提供する料理・接客・空間・時間なのであって、物質ではなく記憶であり、提供するサービスへの拘りへの評価を間違ってもクーポンとのバーターなどに使用してはいけない。また、ソーシャルメディアを活用する上では、店舗の個性と言える拘りなども垣間見える発信をすると、次第にコミュニケーションは発生していくだろう。
■データを把握する
まずはどのチャネルから
1. どれくらい集客できたか
2. 客単価はどうだったか
3. 再来店率はどれくらいか
などは把握できるようにしておこう。
その上で、どのチャネルからどれくらいWebサイトへ誘導できたか等も見ていき、見られたコンテンツ傾向などから、どの様なステータスのユーザーが多いのか等、傾向を把握すう事が出来る様になる。
傾向を把握する事によって、提供するべきコンテンツやサービスの示唆にする事が可能だ。
■まとめ
色々と書いたものの、結局は「顧客は誰か」と「どんな体験を提供できるか」につきる。
良いサービスはオンライン・オフライン関わらず、人から人へと伝わるものだと私自身は実感している。
そして、その「良いサービス」というのが「誰にとっての良いサービス」なのかを前提においた考えを持たなければならない。
上記の事を念頭に、今回のエントリでご紹介した「サービスブランディングにおける7P」を用いた施策を実行される事を望む。(特に新規出店を検討している場合)
既存店がこれから見直しを考える場合として、以下の様な内容と順序が考えられる。
1. 現状の把握・整理
⇒現在定義しているコンセプトはあるか、現在の顧客と商圏属性のギャップ、どういうチャネルとコンテンツを持っていて、数字はどうか、人材はどうか、等
2. 課題の整理
⇒現状整理と他社の状況や市場環境を基に課題を抽出
3. 戦略および施策の立案
⇒どの様なターゲットに対し、どの様なコンセプトを基に、どの様なチャネルやコンテンツを用いて、いつまでにどの様な結果を出すのか
4. 行動計画
⇒3を実現させるための具体的な行動計画
まずはこれらの流れをPDCAに出来る様に、場当り的に施策などを考えるのではなく順序だって考えて頂きたい。
■雑感一筆
飲食店の運営はワタミ報道でも認知されている通り過酷なスケジュールであるケースも多く、余暇が少ないためWebに関する施策などをやりたいと思っても中々できない店舗が多い。
それは実際にIT音痴である事がそもそもなのですが、それは余暇が無い事から起きた慢性疾患の一つにすぎないと思います。
自身が外食産業畑からIT畑へ身を投じたのも、こういった可能性が日々に消耗される事で無くなってしまう危機感を感じていたからです。
何にせよ、自分自身が少しでも飲食業界の活性化に役立てれば、という想いは今も変わらず。
という事で、今後も飲食関連のエントリをちょいちょい書いてみたいな、と思う次第です。
ホスピタリティなのか、サービスなのか、それが問題
最近、ワタミの過労死問題から、飲食店に関する話題をよく耳にするようになりました。
外食産業出身で現場でも経験をしてきた自分としては、とても他人事には思えないニュースです。
なにせ、自分自身も『月に1日休みがあるかないか。』 『平均睡眠時間は1〜2時間』という様な状態で働き、病気になってしまった事がありました。
しかし、僕自身が在籍していた時代では、マネジメントや経営を学ぶには良い環境であり、アイデアもどんどん出せる会社も多く、働く人も独立心の塊の様な人ばかりでした。
過労という事には色々な面があって、僕のその環境は過労そのものでしたが、まだ良い方の過労だったのだろうと思います。
それだけ、熱中して取り組める環境もありましたので。
しかし、大型チェーンばかりが目立つ現在では、ちょっと状況が違う様に思えるのです。
■働く事の意識と、働いて貰える事の意識
“アルバイトで低料金の飲食店で良い接客をするとか馬鹿らしいよ”
こんな言葉がもし働いている側から出るのなら、完全に時間をお金で買われている状態なのだと思う。
そして、お店側も買っているという意識なのだろう。
飲食店は9割がバイト。
これを『使い捨て』と考えるか、それとも辞めた後も『一番の理解者であり、一番の顧客』と考えるか。
決して二者択一ではないが、この考え方の視点の違いで、だいぶ異なったお店の空気になる。
スタッフが辞めた後にも「あそこで働いて良かったな」と言える経験を提供するのがお店の役割だと僕個人は思っているし、そう思えるように時給以上の価値をその時間に見出す事が店員の努めでもあると思う。
その為にも、飲食店はただの労働人員として考えた採用をするのではなく、普段お店に来ているお客様が「このお店で働いてみたい」と思えるようなお店づくりをしなければならない。(個人的には街づくりだと思って貰いたい。)
ワタミがどうなのか、どうだったのかは分からないですが、なんとなく想像はできます。
働く従業員の『意思や目的がどこにあるのか』を尊重した結果の労働ならばまだしも、起きた出来事と周りの証言からは、決して『そうではない』事を物語っている様に思えます。
■サービスなのかホスピタリティなのか
飲食業に限らず、マニュアルを強要し過ぎると、人の自主性を奪い、時には人格まで否定する事にまでなってしまう事もあります。
ところで、マニュアルとは一体なんでしょうか?
マニュアルとはサービスの事で、サービスとは所謂『しなければいけないマニュアル』の事。
そこには「あのお客様のために、こんな事をすれば喜んで貰えるのでは?」というような主体性はありません。
そして、サービスの語源はラテン語で『奴隷』を意味する言葉。
『奴隷』は流石にちょっと言い過ぎかもしれませんが、サービス(マニュアル)である以上は『やらされている』行為なのです。
本当に作らなければならないのはホスピタリティ(自主的な思いやり)が生まれる環境であり、仕組み(マニュアル)ではありません。
ホスピタリティから生まれる仕組み(マニュアル)にこそ意味があり、大規模チェーン店の運営で難しいのはこういった点にあります。
■飲食店に足りないと思う事
圧倒的に『働きたい』と思える為のブランディングが出来ていないと思います。
楽しそうに働いているお店は、お客様も気持ちが良いです。
「いつか一員になってみたいかも?」
そんな風に思ってもらえたら嬉しいんです。
僕が採用も担当していた時は、このお店にお客様として来店した事があるのか、他店とはどう違うのか、そういった事を聞く以外は全部雑談でした。
それはその人が何故働きたいのか、その意思や目的や素養を見る為でした。
それは、アンマッチな労働をしても時給は貰えますが、それ以上の幸せに気づく事が難しいからです。
数多くの飲食店が、スタッフが辞めた後も気軽に立ち寄れるお店であって欲しいと、心から思います。
■チェーンという優れたシステムの今後
チェーンという『ある一定の品質』を提供する仕組みは優れた仕組みだと思います。
その反面、飲食業で将来独立を夢見る起業再生期も過ぎたこの業界では、そういった仕組みに歪みが生まれているのだとも思います。
チェーンという画一性(そしてサービスの標準化)を基とした仕組みの終わりは近いように思えます。
勿論、チェーンで展開できるモデルも多くありますが、お客様との接点が多いほど、また、キッチンのオペレーションに負荷が多ければ多いほど、チェーンシステムであるが故の歪みは大きく出てくると思います。
これからはチェーンのお店も地域性を用いた店舗展開(ブランドが異なるが、ある程度物流面では共通性を持たせる仕組み)にする傾向のお店も選択肢の一つとして増えてくるのではないでしょうか。
(そうなって欲しいという個人的な願いではありますが・・・。)
店舗で働く人の多くは、店舗付近に住んでいる人でもあるので、そういったモデルの店舗展開の方が、スタッフに自主性を持ってもらう事が容易になってきますし、その延長上にスタッフの「楽しい」があって「ホスピタリティ」があるのだと思うのです。
最近なんだか飲食関連のコンサル依頼も数件お話があったりしたので、飲食業周りの事も少しに気になってきており、今回の記事の内容になりましたw
この「ホスピタリティを生む仕組みづくり」の具体論については、また機会があれば書いてみたいと思います。
外食産業出身で現場でも経験をしてきた自分としては、とても他人事には思えないニュースです。
なにせ、自分自身も『月に1日休みがあるかないか。』 『平均睡眠時間は1〜2時間』という様な状態で働き、病気になってしまった事がありました。
しかし、僕自身が在籍していた時代では、マネジメントや経営を学ぶには良い環境であり、アイデアもどんどん出せる会社も多く、働く人も独立心の塊の様な人ばかりでした。
過労という事には色々な面があって、僕のその環境は過労そのものでしたが、まだ良い方の過労だったのだろうと思います。
それだけ、熱中して取り組める環境もありましたので。
しかし、大型チェーンばかりが目立つ現在では、ちょっと状況が違う様に思えるのです。
■働く事の意識と、働いて貰える事の意識
“アルバイトで低料金の飲食店で良い接客をするとか馬鹿らしいよ”
こんな言葉がもし働いている側から出るのなら、完全に時間をお金で買われている状態なのだと思う。
そして、お店側も買っているという意識なのだろう。
飲食店は9割がバイト。
これを『使い捨て』と考えるか、それとも辞めた後も『一番の理解者であり、一番の顧客』と考えるか。
決して二者択一ではないが、この考え方の視点の違いで、だいぶ異なったお店の空気になる。
スタッフが辞めた後にも「あそこで働いて良かったな」と言える経験を提供するのがお店の役割だと僕個人は思っているし、そう思えるように時給以上の価値をその時間に見出す事が店員の努めでもあると思う。
その為にも、飲食店はただの労働人員として考えた採用をするのではなく、普段お店に来ているお客様が「このお店で働いてみたい」と思えるようなお店づくりをしなければならない。(個人的には街づくりだと思って貰いたい。)
ワタミがどうなのか、どうだったのかは分からないですが、なんとなく想像はできます。
働く従業員の『意思や目的がどこにあるのか』を尊重した結果の労働ならばまだしも、起きた出来事と周りの証言からは、決して『そうではない』事を物語っている様に思えます。
■サービスなのかホスピタリティなのか
飲食業に限らず、マニュアルを強要し過ぎると、人の自主性を奪い、時には人格まで否定する事にまでなってしまう事もあります。
ところで、マニュアルとは一体なんでしょうか?
マニュアルとはサービスの事で、サービスとは所謂『しなければいけないマニュアル』の事。
そこには「あのお客様のために、こんな事をすれば喜んで貰えるのでは?」というような主体性はありません。
そして、サービスの語源はラテン語で『奴隷』を意味する言葉。
『奴隷』は流石にちょっと言い過ぎかもしれませんが、サービス(マニュアル)である以上は『やらされている』行為なのです。
本当に作らなければならないのはホスピタリティ(自主的な思いやり)が生まれる環境であり、仕組み(マニュアル)ではありません。
ホスピタリティから生まれる仕組み(マニュアル)にこそ意味があり、大規模チェーン店の運営で難しいのはこういった点にあります。
■飲食店に足りないと思う事
圧倒的に『働きたい』と思える為のブランディングが出来ていないと思います。
楽しそうに働いているお店は、お客様も気持ちが良いです。
「いつか一員になってみたいかも?」
そんな風に思ってもらえたら嬉しいんです。
僕が採用も担当していた時は、このお店にお客様として来店した事があるのか、他店とはどう違うのか、そういった事を聞く以外は全部雑談でした。
それはその人が何故働きたいのか、その意思や目的や素養を見る為でした。
それは、アンマッチな労働をしても時給は貰えますが、それ以上の幸せに気づく事が難しいからです。
数多くの飲食店が、スタッフが辞めた後も気軽に立ち寄れるお店であって欲しいと、心から思います。
■チェーンという優れたシステムの今後
チェーンという『ある一定の品質』を提供する仕組みは優れた仕組みだと思います。
その反面、飲食業で将来独立を夢見る起業再生期も過ぎたこの業界では、そういった仕組みに歪みが生まれているのだとも思います。
チェーンという画一性(そしてサービスの標準化)を基とした仕組みの終わりは近いように思えます。
勿論、チェーンで展開できるモデルも多くありますが、お客様との接点が多いほど、また、キッチンのオペレーションに負荷が多ければ多いほど、チェーンシステムであるが故の歪みは大きく出てくると思います。
これからはチェーンのお店も地域性を用いた店舗展開(ブランドが異なるが、ある程度物流面では共通性を持たせる仕組み)にする傾向のお店も選択肢の一つとして増えてくるのではないでしょうか。
(そうなって欲しいという個人的な願いではありますが・・・。)
店舗で働く人の多くは、店舗付近に住んでいる人でもあるので、そういったモデルの店舗展開の方が、スタッフに自主性を持ってもらう事が容易になってきますし、その延長上にスタッフの「楽しい」があって「ホスピタリティ」があるのだと思うのです。
最近なんだか飲食関連のコンサル依頼も数件お話があったりしたので、飲食業周りの事も少しに気になってきており、今回の記事の内容になりましたw
この「ホスピタリティを生む仕組みづくり」の具体論については、また機会があれば書いてみたいと思います。
自分にとっての大地震を考える日。
明日は3.11から一年。今年は閏年なので、本来は今日ですかね。
当時、アポに向かう直前に大きな揺れに見舞われ、オフィスの水槽の水は半分くらい溢れ出て、表には見た事が無いくらいに沢山の人が居ました。
裏の高台の公園に皆で避難したのですが、そこには不安そうにしている親子が数組居ました。
ワンセグを持っていない親子は「今、どうなっていますか?」と声をかけてきて、起きた事のあまりの突然さと大きさに戸惑っている様子でした。
そこで大きな津波による被害が出ている映像を観て、大きな衝撃を受けました。
しかし、何よりも、家に居る妻が心配で何とか連絡がつかないかと電話をしたりメールをしたりしていました。
何とか妻の無事を確認したその後も、大きな余震がしばらく続きました。
多少の揺れの落ち着きを感じ、オフィスに一旦戻り、溢れた水槽の水のふき取り等を皆で対応し、その後再度大きな余震などもあり、再び高台の公園へ避難、その後現地で解散しました。
幸いオフィスからは2時間程度歩けば帰れる距離だった為、徒歩で帰宅をしましたが、その途中にもこれまでに見た事が無いほどの人混みがありました。
中には割り切って居酒屋でお酒を飲んでワイワイやっている人達も居ましたが、それもそれで不安だったのだろうと思いますし、誰もが不安に包まれている様にも思えました。
東京、神奈川、千葉の埋め立て地や千葉の九十九里沿岸でも被災はありましたが、当時は東北の被災状況を報道している番組しかなく、まさか東京などの首都圏でも埋め立て地を中心に大きな被害が出ているとはこの時は思いもしませんでした。
それでも、やはり、都心に残され歩いて帰る事も出来なかった人達も居る状況下では自分自身も不安でした。
そして、2時間程度歩けば帰れる事がとても有難かったです。
そんな家路の中、以前から知り合いで、現在は震災の影響も無い様な土地に居る人がこの大震災を傍観し、むしろ楽しむ様なPostをしているのを見て、表し様の無い怒りがこみ上げたのも今でも鮮明に覚えていますし、注意をしても「そうですか?」という様な反応だった事に呆れたのも覚えています。
許す許さない等と言える程自分は大層な人間では無いので、そんな事を言うつもりはありませんが、これには今でも怒りを覚えます。
しかし、何よりも自分の身近な人達やその周りの方に大きな被害があったという方が居ない事が幸いでした。
中には家が流されたという方も居ましたが、幸い人命に関わる問題にはなりませんでした。
本当にその事だけが救いでしたし、被害の甚大さから考えたらとても幸運な事なんだろうと思いました。
今でも震災の事はよく考えさせられますし、まだまだ身近に感じています。
それは阪神淡路大震災の時に丁度受験生だった自分が、何不自由なく受験でき、被災された現地の受験生は大変な思いをしていたのをとても申し訳なく思い、その後も時々あの当時をまとめた文献等を調べていたからかもしれません。
そこには、被災後も延々と続く生々しい事実がそこにはありました。
被災者認定の基準の厳しさや、当時声高に叫ばれていた被災者に対しての制度改革も御座なりになりました。
仮設住宅の入居者がゼロになるまでには5年もかかりました。
当時学生だった人達の中には、肉親との死別などがきっかけで、友人とは震災を機に別れを経験した人も居ます。
しかし、その震災を機に将来の夢が出来た人や、人の温かさを再認識した人も居ました。
大きな震災の渦中に一筋の光明。
それがどれだけその人の救いになったのかは想像できません。
だけど、当時文献を調べて居た時よりも、多少は分かる様になった気がします。
明日は3.11。
当日に原発デモを望む声も上がっていますが、当日くらいは被災し亡くなった人達へ黙祷を捧げ、当日の津波や地震の被害を風化させないために当時を振り返り、自分にとっての大震災を考える日にしても良いのではないでしょうか。
デモを1日もズラせないという事も無いでしょう。
明日は慎んで過ごしてほしいと思うばかりです。









